人体強化論!

 

 

 新型コロナウィルスの発生によって、アジアを中心に流行の兆しが出てきました。厳戒態勢が引かれ、日本でもマスクの着用を義務付けたり、患者受け入れ態勢を各医療機関に要請したりと、その対応が急がれています。

 

 毎年のインフルエンザに始まり、ここ最近、数年ごとにこういった話題が起きています。ぼくは、ブラジル滞在中に起きた、代々木公園のデング熱の事を思い出します。今回のコロナウィルスとは比べ物になりませんが、公園を半分閉鎖して、防護服で身をまとった職員が公園を調査している映像は、ブラジルでもニュースで紹介され、それを見たときは驚きました。

 

 ブラジルでデング熱は、主に地方の郊外の街ではよくあることで、別段、患者が出たからといって、暮らしに変化はありません。ただし、予防策としてはかなりスパルタで、行政の消毒車が街を回ります。これはRIOのような都会でも同じで、消毒剤を噴霧しながら、“厄介な車”が通っていきます。

 

 この車が来ると、あわててみんな戸締りをして、家の中に。薬剤は結構強烈で、目がしょぼついたり、咳が出たり。道端のバーでビールでも飲んでいようものならば、その時だけは大騒ぎ。車が過ぎて、テーブルに戻ると、椅子の下でゴキブリが死んでいたり。

 

 ほかに、役場の職員が2か月に一度ほど各家庭を回り、水がめの検査(チェック)をします。蓋が壊れていたり、網がかけていなかったりすると、早急に改善するよう強制的に指示されます。もちろん、水をためるタイプのプランターも禁止。各家庭の入り口には、検査済みのチェック表が貼ってあります。

 

 蚊の発生自体は防ぎようがなく、共存していくしか方法はないので、刺されたときは、それに対抗できる強い体が必要となります。日本で暮らして、いささか気になることは、衛生状態が良すぎるということです。施設の入り口にはアルコール消毒液、スタッフは全員マスク姿、家庭の中でも抗菌グッズだらけ。これ、果たして効くのでしょうか?

 

 限りなく無菌状態を目指していって、手のつくところはほぼアルコール消毒済み。もともと体についている菌まで殺菌、除菌してしまい、どうやって、外からの菌と戦う?

 

 ブラジルであまり手洗いうがいをしません。ブラジルに限らず、他のいろんな国でもおそらくは日本ほどではないと思います。マスクもしません。キッチンは抗菌グッズであふれたはいません。にもかかわらず、それほど大きな被害は出ていないのは、やはり、人の力が強いのだと思います。

 

 体にはしっかりと菌がついていて、それが日々の状況に合わせて活躍しているので、重い症状になる前に、ちょっと熱を出すくらいで解決していると見ます。ぼくも、約3年の滞在期間中に3回ほどデング熱にかかりました(うち1回は何熱かわかりません)が、3~4日、熱を出して終わりです。高熱でぼくが横たわっている間、周りの家族は特にマスクなどはせずに、いつもどうりの普通の暮らしです。

 

 初めの1年くらい、よく蚊に刺されました。1日何十か所も。周りのみんなはというと、ぼくほど刺されていません。日本から持って行った蚊取りグッズは、ベープは頭が痛くなるから、蚊取り線香は、匂いが嫌だから、と、ことごとく敬遠され、蚊帳のみが頼みの綱でしたが、それも、毎晩面倒くさいと、緩やかに却下されました。余談ですが、蚊取り線香は、この辺にはない匂いなので、ちょくちょく巡回に回ってくる警察官に“因縁つけられたら厄介だ!”という理由もあると思います。

 

 それと関連しているのかわかりませんが、どうも、滞在1年を過ぎたころから、以前ほど、蚊に刺されなくなりました。それまでは、毎日、毎晩、サンドバック状態でしたが、いつの日か刺されても数か所に。もっとも、ジモぴーのみなさん、特に外で働いている人たちの中には、刺されても跡がつかないというツワモノもいます。むこうは現役何十年選手、ぼくはまだ数か月の新人ですからハナッから勝負にはなりませんが。

 

 蚊が、ぼくの血の味に飽きたのか?でなければ、ぼくの体が変わったとしか思えません。時を同じくして、肌や胃腸のコンデションもよくなりました。いろいろと試行錯誤をして調べる間もなく、先に結果が出てしまった感じです。

 

 職場で義務付けられているとなれば、マスクをしないわけにもいきませんが、外部と遮断する方法から、自分の体を強くする路線を取った方が、万国共通型の最強の予防策につながるというのが、ぼくの見解です。

 

 日本もブラジルも病院は人でいっぱいですが、ブラジルでは病院に来る人は怪我の人も多く、かつ、病院数も少ないので、さして悪いところもないのに、数字ばかりを気にして薬をもらいに行っている人が多い日本とは、状況は違います。

 

 マスクを外し、(程度はありますが)雑菌だらけの中に暮らし、薬をもらいに行くのをやめる。自分で料理を作り、近所の人達と仲良く暮らし、ケタケタと笑って生きる。自分が健康であれば、人に病気を移すこともありません。人間の力を底上げすることで、大きな流行にも太刀打ちできる。医者や、マスク屋さんは困るでしょうが…。

 

 

 

HAPPY BIRTHDAY EDDIE !!!