地球は回る

 夏の終わり。みんみんぜみが鳴いていた。「おーしんつくつく」と、つくつくぼーしの声も。あぶらぜみはその役目を終わり、足元に横たわっている。快晴の日曜日、今朝の空気は、昨日までのとはあきらかに違い、爽やかだった。約30年ぶりに過ごす東京の夏。夏はいつも南米、長野県にいました。長野県はともかく、大西洋に面した海辺の街や、赤道に近い内陸の街よりも、東京の夏のほうが、断然「暑い!」

 

クロアゲハが頭上を飛んでいった。

 

駐車場を降りていくと、アブラゼミがまだ落ちている。あおむけになり、足を動かしているが、もう飛ぶ力はない。コンクリートの上、そのまま通り過ぎたが、よかったんだろうか?

 

遠く離れた友が逝きました。

 

数ヶ月前、20年ぶりにRIOで会ったとき、20年分老いたな!と思っていたけれど、やはり、少し弱っていたようだった。いいんだ。ゆっくり休んで。少し先に逝ったお袋と、おしゃべりしているんじゃないかな。向こう側の世界へ行っただけなので、悲しくはないよ、僕は。

 

十年以上のゴールド免許。初めて通った道で、違反切符切られる。減点2点。何も言わない。誰のせいにもしない。

 

俺は、変わるんだ。

 

 午後、再び駐車場を通ったとき、まだ、そこに横たわっているセミを、誰かに踏まれてしまう前に、土の上に。何年も地中で暮らし、やっと来た夏。命がけのイベントを終え、まさに「虫の息」。何年?何十年ぶりだろうか、ゼミを触ったのは。「オレも、少しは誰かのためになったのかな?」

 

 朝、ベランダ前の電線に白い鳩が飛んできた。その横には尻尾の付け根だけが白い黒い鳩。お互いが白と黒が逆の模様。上手くできたカップルだ!

 

 バス停の横の神社にはじめて入った。目的は、境内の中に灰皿があると聞いたから。

一歩入ると、手入れが行き届いていて、目に見えないところで、ここで、人知れずに流れている汗、努力が心の髄まで伝わってくる。境内は、どっしりと構える威厳に満ちていた。この町は神社が多い。

 

 月は明けて9月、日曜の朝は買い物。早朝は、街も、24時間営業のスーパーも、人は少なく、商品は昨夜の消化試合。風はなく、タバコのうまみ薄れる。大の木(隣の神社の大きな木)から聞こえてくるのは、虫の声。こおろぎかな?今朝から、明らかにせみの声は減った。ご近所のご老人いわく、「せみは雨のときは鳴かない」 これからは、天気予報がやりづらくなる。プレデター(???)みたいな、見たこともないカメムシを見つけた。「キマダラカメムシ」ーーー日本国内に生息するカメムシ亜科最大で、江戸時代に長崎県出島で発見された。台湾・東南アジア原産。「そんな前から、日本にいたのか!先輩」夕方の豪雨、セミの声は全く聞こえない。

 

人に会いに行った。ファミレスにはいったのは何年ぶりだろうか?なぜか猫臭かった。ここのスタッフは、車通勤OK。タバコはNG。いやな世の中だ。

 

他人丼作って、身内で食べた。

旨かった!

 

 母さんの墓掃除、駐車場の草刈、刺されたのは10箇所以上、ほおずきが生(な)っている。大雨。台風だ!洗濯物ぎりぎり間に合う、も、その後快晴、神社の大の木に、あの日の白い鳩、天気がいい、思い出したようにせみが鳴いている。白い鳩、飛んでいる。先日、軽井沢で頂いた大量の「かぼちゃ」。圧力鍋で煮て、フリーズ。「じゃが芋」はコロッケに。「鮪」はツナにした。冷凍庫はパンパン。お腹はペコペコ。

 

 長年付き合ってきた、右手の包丁ダコ。ここ数ヶ月で消えかけていたが、かぼちゃとの格闘の末、復活する。