とーや、いっぷく。

 

 

 朝の一服、いつものように玄関の外に出ると、 今朝は交通量が少ない。今日は休日「建国記念日」だ。天気のいい、晴れた朝。下を歩く出勤する男性。おたがいが(あっ)と思う。去年までの僕の自転車通勤で、よくこの時間にすれ違っていた人だ。声こそかけたことはないけれど「休日出勤、いってらっしゃい!」

 

 ローテーションの谷間ということもあって、ブラジルで買ってきたタバコを吸っています。味や香りで「暑く、よく蚊に刺された」友人の家を思い出します。むこうでは、そろそろカーニバル。街もずいぶん騒がしくなってきているでしょう。

 

 どうも、日本は違いがあるようで、タバコひとつとっても、よく燃える紙に包まれた日本のタバコは、独特の後味があり「向こうで吸うタバコはうまい」と感じさせる要因なのかもしれません。

 

 タバコに限らず、野菜や果物、マヨネーズやパンなど、海外に比べると日本は総じてマイルド志向です。さすがに、魚類は、改善されているとはいえ、漁場から家庭のキッチンまでの管理・流通状況に大きな差があるので、海辺で買う以外は、日本の魚はうまし!となるわけです。

 

 昨年、久しぶりにリオに行きました。さすがに街は大きく変わり、前回ここで暮らしたのは約20年以上も前なので、軽く浦島太郎です。当時は、大型ショッピングモールは郊外に数件しかなく、モール内のテナントも、だいぶ現地感がありました。今では、ほぼ、世界中とこでも見られる定番のテナントが、数多く出店しています。

 

 とはいえ、当時、日本では大型店はまだ猛威を振るっていなくて「ブラジルのショッピングセンターはでかいな」と痛感していました。お互い、携帯電話すら、それほど普及していなかった頃です。こんなサイズは日本では無理だ、と、思っていましたが。なんのなんの、以後、日本でも郊外から、どんどん大型店の出店が始まり、ホームセンターや家電量販店、ガソリンスタンドや回転すしなども同じエリア内に併設され、とても便利な商業エリアが出来上がりました。

 

 リオでは、ここ数年、好景気をきっかけに、車の所有者が増えて、これは、分割で新車を買いやすくなったのが大きな理由のようですが、どこもかしこも、町内の要所は大渋滞です。ショッピングモールに入る時など、一苦労。さらに、駐車料金も高額で、車の維持費は結構かかります。

 

 とはいえ、ガソリン代も安く、車検もなく、税金もそれほどではないので、出費は少なめ。さらに、保険に関してはほとんどの人が加入していないのでは…。手放すときも、車種によっては、ほぼ、購入時に近い金額で売れるので、資産価値を維持したまま、カーライフを楽しめます。新車を買っても「3年で半額、10万㎞で査定ゼロ」の日本はちょっと異常です。携帯料金同様、日本よりはだいぶ住みやすい世の中です。

 

 そろそろ、気温が上がっていく予兆なのか。最近、虫たちの活動が始まりました。ちょろちょろと、小さな昆虫が見られます。ブラジルでは、どんな虫も、クモも、排除対象なので、見つけ次第駆除。しかし、逆に日本では、虫はどこか親しい友人というか、身近な存在。ハエや蚊、ゴキブリは万国共通ですが、蝶やてんとう虫が家の壁や窓の前を飛んでいても、それほど不快感はありません。むしろ「春だなぁ」なんで情緒が沸いてきます。

 

 カブトムシやクワガタに限っては、もうこっちではヒーローで、ブラジル人には考えられないでしょうが「家の中で飼っちゃうほど好き」です。ブラジルでは、小鳥は籠に入れ軒先につるして鳴かせ、犬の役目はほぼ番犬として庭につないでおく。いずれも、家族から見た「使用人・所有物」という立ち位置で、都市部のマンション暮らしの人など例外はありますが、家族の一員としても、飼い主との境界線ははっきりしています。

 

 ここ最近の日本のペットブームは異常で、犠牲になっているようにみえてしまいます。犬、猫、猛禽類や、カワウソ…、都会の暮らしでこんなに生き物は必要ありません。殺処分や、河川の外来種、簡単なことで、販売店に規制をかければいいだけの話です。

 

 生き物は、原則販売禁止。欲しい人は、ブリーダーからの譲渡のみ。ぼくは、ここ10年ほどかけて40㎏体重を落としましたが、ダイエットでは「何食べているの?」とみんな聞きます。この間、ぼくが常に管理していたのは、入る方ではなく「出る方」です。これが、ダイエットの最大の要点です。

 

 ペットに関しては、販売店で、最近ではホームセンタでもどんどん売られて、町中ペットだらけ。家々にあふれています。こちらは、入る方(売る側)はフリーで、商品価値があるうちにどんどん販売し、出る方(購入者側)の問題ばかりとりあげられています。一人暮らしや、寂しさを紛らわすために、ペットと暮らす。いいでしょう、ただ、環境というものはあって、地方の広々としたところならばともかく、都会の一室で飼うのは、生き物にとっては本来の生き方ができません。

 

 とことん、血統にこだわるところも日本の特徴です。休日の公園などはさながら品評会。海外では、ピットブルのような特別な番犬タイプは別ですが、一般家庭では血統は関係ありません。広いスペースに、家の中も靴のくらしで、家族の一員のように見えます。が、やはり、しっかりとした境界線は引かれ「対等の生き物」としてか、「暮らしのグッズ」としてか。

 

 野生動物に「肥満」がいないように、生き物本来としての命を尊重して、共に暮らし、人は社会の決められたルールを守り、動く。スピードを出したい人は、そこまで行って速度無制限の道路で飛ばせばいいということですね。相手を尊重すれば、穏やかな気持ちになり、受け入れる心のスペースが広がる。ルールを守れば、規律のある生活ができ、暮らしがしまる。

 

 今日は日本の誕生日。

 

 一服して、がぶがぶヒーコー飲んで、鍋に昆布を入れ、

 

 とーや、しーめー作ります。