アニサキス。

 

 とは、関係ありませんが、生まれて初めて、埼玉県の蕨に行きました。

 

 どことなく池袋エリア内、という感じがしますが、西川口を過ぎると、県境が近くにありそうな雰囲気になります(実際の県境ではありません)。待ち合わせの1時間前には、いつも現場にいるタイプなので、定石通り、ドトールコーヒーに入り、一服。1本のタバコを吸うために¥230使う、これも、ぼくのマヌケなルーティンのひとつです。

 

 ぼくが「朝からいい気分になった」のは、このドトールコーヒー蕨西口店。今まで、まずいと思っていたドトールのコーヒーですが、この店はおいしかった。BGMは馴染みのボサノバ、喫煙室にもコンセントが各テーブルにあり、清潔な店内にスタッフのクオリティ、これで、決まりです。

 

 久々の通勤電車に、やや朝から疲れてしまいましたが、ドトールコーヒーでリフレッシュ。昼には体が空くので、帰りに池袋の鮮魚売り場にでも寄って、何か買って帰ろう!

 

 鮮魚といえば、常に話題になっている「アニサキス」。ここ5年くらい前から、猛然と増えだして、今では、天然魚にはつきものです。いろいろな人たちが調べていますが、その原因については、まだわかっていません。海水温の上昇という、いつもの「記憶にございません」的な、それらしい台本どうりの言い訳も、あちらこちらで使いすぎて、もはや説得力はありません。

 

 アニサキスについて、知っていることをお話しします。資料やネットで調べたりしたものではないので、これは、ぼくの「個人的な見解」です。

 

 アニサキスはクジラやイルカなどの海洋哺乳類のおなかの中で成虫になります。よく見る、イカや生魚についている、白いミミズ状の奴は、アニサキスの幼虫です。クジラのおなかの中で成虫になったアニサキスは、そこで産卵し、卵はフンとともに海洋に放出されます。

 

 クジラのフンとともに放出されたその卵を、オキアミなどのプランクトンを食べている生き物が一緒に食べます。そして、そのオキアミを、食卓でもおなじみの魚たちが捕食。しかし、その、サバや、ブリたちの中では成虫になりません。主に、その腸や、内臓部分にとどまり、渦を巻いて寄生しています。これ、みなさんが知っているアニサキスの状態です。そこで、クジラやイルカなどに捕食されるのを待っています。やがて、終宿主にたどり着いたアニサキスは、そこで成虫になり、卵を産む。

 

 以前、大きな事故にあったことがあります。その時、病院の検査で余計なことがいろいろと出てきました。聞いたこともないような数値を調べたり、がんについて調べたり、毎日PCとにらめっこです。ついでに暮らしも大変で、かなり弱っていました。

 

 そんなときに「猛烈な胃痛」に襲われます。のたうち回る痛さです。治まった、と思ってじっとしていると、また突然やってきます。あまりの痛さに、びくびくと恐怖の時間が続きました。

 

 今まで、ほとんど医者に行ったことがない我が人生。病院出席率生涯最高時ですら、そのために、また医者に行く始末。しかし、返ってくる返事はいつも同じ「痛い時に来てくれないと原因はわからない」。

 

 やはり、アニサキスで気になるのが「もし、食べちゃったらどうなる?」ということですが、胃や腸を食い破ってしまうことがあり、吐き気、嘔吐、猛烈な胃痛などに襲われます。こうなると医師の診断が必要。

 

 それでも、約1週間くらいで死んでしまうので「いてててっ!」と、なったら、1週間我慢すれば、問題解決(のはず)です。さらに、アニサキスは傷に弱く、切ってしまえばもちろん、かすかなかすり傷でも死んでしまいます。

 

 あの事故の時以来、胃が痛くなったことは一度もありません。

 

 事故のせいで病院事が多くなり、そっちに気をとられてはいたものの、当時は「これも何かの病気なんだろう?」と、それ以外に頭が働きませんでした。そして、数日後の胃カメラの検査で「異常ありません、きれいな胃袋です」なんて言われたものですから、そんなはずはない!ならば、あの胃の痛みは何だったのか?数日間ものたうち回り、あんなに痛かったんだ、何もないわけないでしょう!

 

 ・・・!?

 

 そうです、これ、今思うと「アニサキス」だったんじゃないかな!1週間くらいで痛みは治まったし…。かれは、ぼくの胃袋を食い破って、その先ですこし楽しんでから死んじゃったのでは!

 

 当時は、まだアニサキスなんて言葉は、世の中に出ていませんでしたし、医者たちも何もわからなかったわけですから。当の本人は、まさに踏んだり蹴ったり。泣きっ面にハチ。

 

 アニサキスは、決して手ごわい相手ではありません。70℃で1分の加熱、または、-20℃で48時間のフリーズで死滅します。なので、刺身を加熱するわけにはいきませんから、ここは冷凍で100%対応できます。

 

 せっかくの刺身、冷凍はしたくないという人は、冷蔵庫に30分から1時間入れておくと、身の中に入り込んだアニサキスが表面に出てくることがあります。目視で簡単に除去できます。刺身用のサクを切る時も、包丁を斜めに使うなど、残っていても切れば死んでしまいます。

 

 魚をさばくとき、いるときは主に肛門の周りに多くいます。丸の魚では、内蔵に多く寄生していて、常温の状態になると、内蔵の近くの筋肉の中に移行しだします。魚は、冷やした状態で保管して、さばくときによく目で見て調理すれば、さして恐れることもありません。

 

 

 小学生たちに混じり、家路へと向かう。

 立て続けに警察車両に車が止められている、目白通り

 水曜日の昼でした。

 

 みなさんも、アニサキスと、一時停止、

 

 気を付けてくださいね。